久々に、このカテゴリの更新です。
今夜、NHKで向田邦子さんに関する番組をやっているのを見ました。
向田さんの趣味のひとつに音楽があったそうなのですが、彼女の
秘蔵のレコードコレクションの中でも特にお気に入りだったのが、
この、ミリー・ヴァーノンの「イントロデューシング」です。
ミリー・ヴァーノンは、この「イントロデューシング」たった一枚だけを
残して表舞台から消えた、幻の美人シンガーと言われています。
情感溢れる歌唱法と、少し憂いを帯びた歌声が、私も大好きです。
ジャズ・ボーカルものの中では、この一枚が一番好きかもしれません。
私がこのアルバムと出会ったのも、実は、向田邦子さんがきっかけ
でした。今から3年ほど前のことです。
たまにはマジメに休日を過ごすのもいいだろうと、友人に誘われて
地元の文学資料館に林芙美子の作品展を見に行った時に、そこで
同時に開かれていた、向田邦子さんの遺品の数々を展示する催しで
会場に流れていたのが、このアルバムだったのです。
飾られていたレコードジャケットを見た瞬間にビビッ!ときました。
音楽に関しての私の第六感は、自分で言うのも変ですが、結構あてに
なるので(笑)、私は確信を持ってこのアルバムを探し始めたのです。
しかし・・・。CDショップを回っても、どこにも無い!無い!無い!!
最終的に、仕事でお世話になっているCDショップの店長に頼み込み、
問屋さんを当たってもらった結果、九州では福岡に一枚だけあるという
ことがわかり、なんとか取り寄せてもらえたのでした。
以来、私の1500枚に及ぶCDコレクションの中でも1、2を争う愛聴盤
として、棚に並んでいます。
残念なことに、限られた枚数だけが限定企画としてたった一度CD化
されただけなので、もう手に入れることはほとんど不可能だと思います。
なんとか、もっとたくさんの方々に彼女の魅力を知って頂きたいとは
思うのですが・・・。再CD化が待たれる一枚です。